今回の染み抜き事例は、バレンシアガのトレーナーに料理の油のシミがついてしまったというご相談です。
油のシミは家庭の洗濯では落ちにくいシミの一つになります。また、油と一言で言っても油の種類や温度などによって取れにくさが変わってきたりもします。そのため、簡単な染み抜きの時もあれば、非常に困難な染み抜きの場合もあります。
今回お預かりしたトレーナーですが、油のシミの除去をするにあたり、大きな問題がありました。それは、この衣類がドライクリーニングができない品物だったということです。
ドライクリーニングができない衣類の理由は様々です。
プリントなどが貼ってある場合は、ドライクリーニングの溶剤によってプリントが剥がれてしまうことがありますし、縫製を接着で行なっている衣類ですと、その接着剤を剥がしてしまうこともあります。
そして、今回の衣類はこの色を顔料染めという手法で行なっていることが理由でした。
顔料染めは簡単にいうと細かい色の粒子を接着剤で貼り付けてあるようなものでして、ドライクリーニングによってその色が取れてしまうのです。
油の染み抜きにはドライクリーニングのような油性処理が必要になることが多く、特に今回のシミに関してはより強い油性処理が必要となります。つまり、一度色がなくなることを覚悟して染み抜きを行い、再度同じ手法で染め直す必要があるのです。
染み抜き前と、後になります。
できる限りの染み抜きを行いましたが、完全には除去できませんでした。また、その部分は完全に色がなくなってしまったので近い色を作り。部分的に染色を施しできる限り目立たなくさせて頂きました。
このような処理が必要な場合はお客様に処理方法と出来上がりの予想をお伝えして、ご納得いただいてからの処理となります。
できる限りの事はさせて頂きますが、このような衣類の場合はやはり多少の違和感をご納得いただいてからの処理となります。
新町本店ではシミ抜き担当のスタッフがおりますので、その場でおおよそのお見積もりなども可能です。その場でシミ抜き方法などの打ち合わせがご希望でしたら新町本店へご来店ください。また、仕上げ担当のスタッフもおりますのでその場でおおよその仕上がり時間も確認できます。お急ぎの場合は新町本店へご来店ください。
載させていただいた画像は、同じ症例でお困りの方の参考の為、掲載させていただきました。
不都合な点がございましたら、お手数ではございますが下記までご連絡くださいませ。